【第0回】私たちの体にいる「小さな修理屋さん」の正体

私たちの体は、紫外線やストレス、生活習慣の影響を受けながら、日々わずかずつダメージを受けています。それでもすぐに不調が現れないのは、体の中に"専属の修理屋さん"が存在しているからです。

その正体が「幹細胞」です。

幹細胞には大きく二つの重要な能力があります。一つは、傷ついた組織に応じて必要な細胞へと変化する力。もう一つは、自分自身を複製し、幹細胞という存在を維持し続ける力です。

たとえば、皮膚が傷つけば皮膚の細胞に、血管が傷つけば血管の細胞に――必要な場所へ必要な形で変化し、修復を担います。この働きによって、私たちの体は常にバランスを保っています。

しかし、加齢とともに幹細胞の数は減少し、機能も徐々に低下します。修復力が衰えることで、体はダメージを受けやすくなり、回復にも時間がかかるようになります。これが老化の大きな要因の一つです。

さらに問題なのは、「老化細胞」の存在です。役割を終えたはずの老化細胞は体内にとどまり、炎症性物質を分泌します。その影響で周囲の健康な細胞まで機能が低下し、老化が連鎖的に広がることが分かっています。いわば"老化のドミノ現象"です。

この現象は、肌のハリや弾力の低下だけでなく、生活習慣病や慢性疾患のリスクにも関係すると考えられています。

では、この老化の連鎖を抑え、体の修復力を高めることは可能なのでしょうか。

近年、再生医療の分野では、幹細胞の力を活用し、老化の進行にアプローチする研究が進んでいます。

次回は、幹細胞がどのように体を再生へ導くのか、そのメカニズムについて詳しく解説します。

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